六弦と四人組の部屋〜ビートルズ奏法研究所

ビートルズ(The Beatles)の楽曲における、ギターでの奏法解析やコード進行の分析など。コピーバンドや、コード進行の勉強に役立ちます。

Magical Mystery Tour

Hello Goodbye

ポールの代表曲にして、ビートルズの中でも5本の指に入るスタンダードナンバー。2002年のマッカートニー単独来日時にはオープニングを飾りました。ポップで分かりやすいメロディと歌詞ですが、サウンドと中途半端な小節数はやはり普通とはどこか違いますね。

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この曲はもろ口パクなサイケ衣装をまとったMVもあってか、個人的にはケバいイメージがついて回ります。変にコーラスの掛かったようなギターや、あまり綺麗でないストリングスのサウンドもそれに拍車を掛けている印象です。

コード進行

Aメロ(サビ)

F6 C G7 Am
G Am G
2/4 G

Bメロ

C C/B Am Am/G F Ab C C/B
Am Am/G F Bb C

ラストBメロ〜エンディング

C C/B Am Am/G F Ab C C/B
Am Am/G F Ab Fm/Ab Cm/G D/F# F
C
C

コード進行はキーCのオーソドックスなもの。対して小節数は普通ではなく、Aメロ部ラストに挿入された2/4やBメロ部が3小節で一区切り付くところなど、歌詞やメロディがうまく繋がるため感じにくいですが、なかなか他にはない感じです。

コード進行はエンディングのみ異様に複雑で、Abからの半音下降するベースに対してFm-Cm-D-Fと、キーCメジャーとCマイナーを掛け合わせたような登場の仕方です。Fm-CmがCマイナー(Ebメジャー)、D-FがCメジャーと考えるとしっくりきますね。

ギターとストリングスをどう処理するか

前回に見た「Penny Lane」ほどではありませんが、やはりギターがあまり登場しません。サビ部分が終わった後の「キューン」という妙に耳に残るチョークダウンと、途中の「ドレミファソラシド〜」というスケール練習みたいなフレーズを弾いているだけで、あとはほとんど入っていないか、ほぼ聞こえないレベル。

変わって登場するのが、音のやや濁ったストリングス。こちらはギター以上に目立っており、歌の後ろのコード、間奏などほぼこいつらだけで演奏されています。バンドでの再現ではこのストリングスを外すワケにはいきません。このサイトではストリングスとギターを混ぜたものを紹介しています。

Aメロ(サビ)

She Loves Youなみの印象的なサビ入りナンバーですが、あちらとは違い、毎回やってることが違うという面倒くささ。

1番A

曲の実質的なイントロダクション部にあたる冒頭。

1番A

1番A

歌に合わせてストリングス音が展開します。純粋なギターは下段あたまに登場するチョーキングのみ。ここは原曲ではチョーキングですが、1音半というのが地味にきつく、昨今のライブではスライドでやっているようなので、それでもいいでしょう。

2番A

1番終了後に登場する、2番のA。

2番A

2番A


ストリングスに歌と違うリズムがついており、上段4小節目にはスケールの下降が。この音はストリングスとギターが混ざっているような音です。下段のチョーキングはギターのみ。

間奏

Aと同じコード進行上に展開する間奏。

後ろのストリングスのメロディよりも前で歌っている「why, why, why〜 do you say goodbye, goodbye bye bye..」というフレーズが印象に残りますが、このようなメロディを弾いています。

間奏〜

間奏〜

ここは完全にストリングスのみ。ギターはいつも通りチョーキング部だけです。

3番A

最後のAメロ。

3番A

3番A

メインボーカルの後ろでコーラスがごにょごにょ言ってます。ここはドラムとピアノのみが鳴っており、ギターやストリングスは4小節空白。その後、Gのアルペジオ的フレーズが歌の隙間を縫って登場。

バックコーラスはごにょごにょではなく、実際には「I say yes but I may mean no, I can stay still it's time to go.」と歌っています。

Bメロ

「Hello, hello, I don't know why you say goodbye I say hello」の部分。ギターが唯一メインを弾いている場所ですが、その内容はスケール練習にもならなさそうなドレミファソラシドです。

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ベース音が下降する王道コード進行の上に、逆行するように登場するスケール上昇。曲にそのままドレミファソラシドが登場するのは、のちにミスチルがこの部分をパクっていますが、まぁオリジナルでやってるのはこれぐらいでしょう。。ドレミの歌でさえもうちょっと複雑やで…。

とはいえ、これが陳腐になっていないのは抜群のセンスの為せる業。ギターは大人しくこれを弾いておきましょう。開放弦混じりのドレミよりはこちらの方が音が綺麗に分離して良いと思われます。

ラストのBメロ

ラストのBメロ

ラストのBメロ

ラストはAbからの半音下降で曲を締めます。ここはコード進行が地味に凝っており、一時的に完全なEbキーへの転調を思わせます。ギターはルートを弾いているだけでもいいんですが、もし薄く感じたらカッコで記したコードを一緒に弾いてもいいでしょう。

エンディング

尾ひれのようにくっついたエンディング。
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ギターは最初の4小節は弾いておらず、5小節目からメロディをユニゾンしています。7fへの下からのスライドが途中登場しますが、ここはわりとはっきりスライドが聞こえます。

何もしないのもアレなので、最初の4小節は薄くコードを弾いておいてもいいでしょう。オープンコードのCで十分です。

ちなみに歌詞は「He La Hey Halo A」となっており、アロハを逆から読んだものらしいです。

まとめ

超有名曲だけにバンドでやりたいのは山々なものの、楽器の選択的にやりにくい一曲。

ピアノが和音部分のメインなため、ピアノとストリングスを両方出来るキーボードがいるならば、ギターはAメロのチョーキング、Bメロのスケール上昇、エンディングの歌ユニゾンのフレーズだけを弾いて、あとは薄くコードを鳴らしているだけで十分でしょう。

歌を兼ねたりしてピアノ以外を鳴らすのが難しい場合、あるいはピアノの代わりにギターで強引にやってしまう場合、ストリングス部分を担うのはもう一人のリードギタリストの役目となります。

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MVではビートルズの曲には珍しく、VOXアンプを使っているのがはっきり分かります。

http://www.voxshowroom.com/uk/amp/defiant1.html

Voxの「Defiant」というアンプのカスタムらしく、Sgt.Peppers〜やMagical Mystery Tourのレコーディングに使われたという記述が見られます。最近ではこのような縦書きのVOXアンプは見ることはなくなりましたね。

-Magical Mystery Tour