六弦と四人組の部屋〜ビートルズ奏法研究所

ビートルズ(The Beatles)の楽曲における、ギターでの奏法解析やコード進行の分析など。コピーバンドや、コード進行の勉強に役立ちます。

Past Masters Vol.1

I Feel Fine

ジョンの作にして前期の代表曲。イントロのかっこいいリフが全編を支配し、ギタリストには非常に人気が高い一曲です。左手をかなり広げないと弾けないので、手の小さい日本人泣かせな曲でもあります。

Past Masters
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コード進行

イントロ

D7 C7
G7

Aメロ

G7
D7 D7 C7
G7

Bメロ

G Bm C D7
G Bm Am D7

ブルースに毛が生えたような進行にポップなBメロが付いたもの。ジョンは「リフのための曲を書くつもりで書いた」と言っていますが、Bメロの存在がこの曲を非常にキャッチーにしています。ここがなければこんなに人気にはならなかったでしょう。

動画

イントロの怪

頭のフィードバックですが、さまざまな説があったものの…、

・始めにベースのAの音を出す
・J-160Eの5弦開放を鳴らし、アンプに対して正面に向ける
・フィードバックが繋がる

という順序で鳴らしているというのが正確な情報のようです。

ジョンはこのフィードバックが鳴り終わらないうちからそのままリフを弾き出しています。リフは始めの一回だけJ-160Eで弾かれており、その後はジョージが引き継いでいるようです。なので、上の動画はその意味で間違っています。

イントロ〜Aメロ

目立つリフのパートをメインに解説します。

左手〜ストレッチをなんとかする

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これがイントロの譜面。バレーのメジャーコードを押さえながら、薬指を離したり小指を伸ばしたりしてピンポイントで必要なところを押さえる、という弾き方は広く知られています。

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①まず、通常のメジャーコードを押さえたところからスタート(この時点ではパワーコードのように上3本だけでも可)

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②小指を離して

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③3弦の薬指の隣に置く(7sus4の形)

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④小指を右に伸ばして14fへ

このさい、DやCの辺りでのポジショニングでは何とかなっても、Gまで降りてきた際に3f-7fというかなりのストレッチを要求されます。特に3fは人差し指セーハを保った状態での小指7fになるため、相当にきついです。これに対する回答は、もうすこしずつ慣れるしかないという、攻略法もへったくれもないものです。

…と言いたいところなのですが、ジョンの使っているミディアムスケール仕様のJ-160Eだったり、ジョージの使っているリッケンバッカーはフレット間の幅がけっこう狭いようです。通常ロングスケールで知られるストラトなどで弾くのとはかなり変わってくるはずなので、どうしても弾きたくても弾けない人はショートスケールか、最低でもミディアムスケールのギターを使いましょう。

ちなみに、風呂場で手の温まっている時に指の間を開くストレッチなどをやっていると、半年ぐらいで効果が出て開くようになってきます。特に10代のまだ関節が柔らかい頃にやると効果倍増。実際これがストラトで余裕で弾けるぐらいになっておくと、コードなどを押さえるのがぐっと楽になりますよ。

右手〜オルタネイトピッキング

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右手はジョンのやり方を踏襲するならば「ダウン-アップ-アップ-アップ-ダウン〜」という驚愕の動きとなります。これは恐らく完全に癖であり、普通の人がやってもなかなか真似できそうにないため、通常のオルタネイトピッキングで解説しています。

さて、このフレーズ、1音だけ鳴らしているのではなく、ピンポイントで狙いつつも、周辺の弦を一緒に弾いているときがあります。複数の弦を鳴らすストロークと、単音弾きの間のような弾き方で、ラフに振りつつも、しっかり狙ったところは(場合によって周辺を巻き込んで)当てるというもの。実際的にはイントロ1回目のD7部分は下のような譜面になります。

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カッコ内は鳴らしたい音を弾いたときに一緒に鳴ってしまっている音。このような音がランダムでところどころ鳴っており、このリフのハーモニーを形成するのに重要な役割を果たしていますので、これは絶対にやらなければいけません。

ちなみに、ジョンもジョージもこれが非常に巧く、この弾き方はビートルズでは必須のものとなります。ストロークでありながらしっかりメロディラインが見える「Norwegian Wood」とか「Here Comes The Sun」のようなアコギナンバーをイメージすると分かりやすいですね。

ちなみに最後の16分音符で混ざる3弦11fはイントロの1回目のみ鳴ってしまっている音。トリルしているようにも聞こえますが、ポジション的にハンマリングは不可能なため、ここが鳴っていると考えます。

Aメロの最後部分

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軽くアルペジオ的なピッキングをしながら降りているようです。

Bメロ

Bメロ部。ジョージのパートと合わさって判然としない

Bメロ部。バッキングパートと合わさって判然としない


"I'm so glad〜"からの部分。どうもバッキングと一体となってしまって判然としませんが、アルペジオっぽい右手の動きをしながらストロークもしているという曖昧なもののよう。上で紹介しているAメロ最後部分と似た動きです。

バッキング、ソロパート

バッキング

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Aメロ頭。コードはG7のバレーコードに小指で2弦6fが付いたもの。カッティングのようにはっきりとしたアクセントが付いています。

地味に凝っているバッキング

地味に凝っているバッキング


ここは地味に凝っています。withという歌詞の部分で半音下降しているようで(赤い四角の所)、最後のリフは全部は弾かずに、後半だけ弾いているように聞こえます。

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"I'm so glad〜"の部分。ここは普通にストロークしているようです。

ギターソロ

ギターソロ

ギターソロ


ギターソロは非常に簡単。3弦のスライドは薬指でやるとラクです。リフと一体となって、音数が多く聞こえますが、これで間違いないでしょう。

リフに残る逸話

ジョンはBobby Parker「Watch Your Step」を弾いていたらこのリフを思いついたと言っています。

確かにかなり似ています。

Led Zeppelinの「Moby Dick」などこれに似たリフはやたら多く、リフを作る際の鉄板の動きなのか、あるいはみんながこの曲から影響を受けているのかは定かではありませんが、I Feel Fineについては作曲者がそう言っているので間違いないところです。

初期の曲ではかなりな難曲に入るでしょうが、人気も高く、軽快でかっこいいので、バンドでやらずともファンなら押さえておきたい一曲。出だしのリフが弾けるかどうかが勝負なので、そこさえクリアできればほぼ制覇と言ってしまって良いでしょう。

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