六弦と四人組の部屋〜ビートルズ奏法研究所

ビートルズ(The Beatles)の楽曲における、ギターでの奏法解析やコード進行の分析など。コピーバンドや、コード進行の勉強に役立ちます。

A Hard Day's Night

Can't Buy Me Love

映画でもおなじみの初期の超人気曲。ポールは御年70になってもこれをライブでやっており、かなりお気に入りのナンバーであることがわかります。

コード進行

イントロ(サビ)

Em Am Em Am
Dm G6

Aメロ

C7
F7 C7
G7 F7 C7

サビ

Em Am C7
Em Am Dm G6

ブルース進行に、毛を生やしたようにサビが付いています。ビートルズのルーツがよく分かるような作り方をしていると言えますね。

動画

ギターソロのみ録画。原曲通り二本重ねています。

バッキング

サビでのキメっぽいもの以外はほとんどがアコギのストロークのみです。

Aメロ

アコギのストロークがメイン。スタジオ盤では左チャンネルからうっすら聞こえますが、多分ジョンのものでしょう。ほとんどベースとドラムだけというシンプルなバッキングになっています。

さすがにライブでは何もやらないのもまずいというところか、ジョージは下のようなリズムで弾いています。

ライブでのジョージのバッキング

ライブでのジョージのバッキング

「ウン・チャ・ンチャッ・ チャ・チャ・ンチャッ・」という感じのリズムですが、必要最小限の音にとどめている印象。

サビ

付点8分と2分音符の印象的なギターが右チャンネルから聞こえます。

サビは印象的なギターが入る

サビは印象的なギターが入る

ポイントは最後のDm-G6が同じ形の平行移動であるところ(赤い四角の所)。これで一気に原曲っぽくなります。

ちなみにライブではあまりやらずに適当にかき鳴らしているときも。いい加減なもんです。

コードフォームについて

複数のテイクを確認すると、C7は二人とも同じですが、F7とG7で違いが見られます。

cf
ジョンはバレーコードに小指で7thの音を足した形。ジョージはC7をハイポジションにずらした形。ジョンの7thは「I Feel Fine」でも登場しますが、この形が好きなのかも知れません。

ギターソロ

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詳しい弾き方は動画を参考にしてもらえるといいのですが、実はギターが2本入っていて、ほとんどのところでユニゾンしています。違うのは下段2小節目の6fのチョーキング時にリズムがズレるのと、赤い四角の5fのスライド部分。これは開放弦と一緒に鳴っているのが2ndギターであり、1stギターは4弦しか鳴っていません。ただ、この開放弦の音はよく聞こえるので、普通に一本で弾く際にもやった方がいいでしょう。

ライブの映像で確認すると、3〜4小節目で8f付近にポジション移動しているようなので、譜面でもそういう風に記載していますが、このライブではジョージは12弦ギターを弾いており、副弦を活かすために敢えてハイポジションで弾いている可能性もあります。スタジオ盤で同じかはちょっとわからないですね。

まとめ

初期の中では意外にギターソロがきっちりとフィーチュアされており、弾きごたえもなかなかにある曲です。単純でやりやすく盛り上がるという、非常に存在感のある一曲であり、コピーバンドでもライブでこれをやらないバンドはありません。ギターソロをしっかり弾いておけば、複雑なコーラスもないので、レパートリーに加えるにはうってつけのナンバーです。

-A Hard Day's Night