六弦と四人組の部屋〜ビートルズ奏法研究所

ビートルズ(The Beatles)の楽曲における、ギターでの奏法解析やコード進行の分析など。コピーバンドや、コード進行の勉強に役立ちます。

Past Masters Vol.1

From Me To You

2018/11/20

「Love Me Do」「Please Please Me」に続く第3弾シングル。両曲同様にハーモニカのイントロが映える一曲ですが、コード進行の凝り具合などに、進化の跡が見て取れます。

コード進行

Aメロ

C Am C G7
F Am C G7 C Am
C Am C G7
F Am C G7 C C7

Bメロ

Gm C F
D7 G Gaug

イントロはC-Am-C-Am、エンディングはC-Am-AmM7-C-Am。

Bメロでの転調が最大のポイントで、キーはC→Fと推移。セクションの変わり目で次のキーのIImに行くやり方は、後の「I Want To Hold Your Hand」でも同じ手法が見られます。Bメロの最後のGaugは、G7に近い役割を果たしてますが、「Ask Me Why」などでも見られるので、当時のジョン・レノンの得意技かもしれません。

イントロ

イントロ

イントロ

原曲ではハーモニカが印象的ですが、ライブでは歌ばかり聞こえてギターはあまり聞こえません。原曲ではハーモニカとユニゾンで同じフレーズを弾いています。ここは歌が入っているので、コピーする際には上のように弾けば十分ですが、正しくは下。

イントロ完全版

イントロ完全版

「Please Please Me」と同じくオクターブになってます。右手は多分ピック+中指でしょう。

Aメロ

Aメロ

Aメロ

「ウンチャチャウンチャ」みたいなリズムの繰り返し。初期ビートルズにしては珍しくリードギターの方のバッキングがちゃんと聞こえます。最後の小節の単音は結構目立つので、これは入れたいところ。

Bメロ

Bメロ

Bメロ

この辺のバッキングは、適当にストロークしているだけのようです。D7に行く前の3f-4f-5fはアクセントを付けて弾きます。最後のG-Gaugは歌と関係の無いリズムで2拍3連。

間奏

間奏

間奏

単音で弾いてもいいですが、イントロで書いたようにオクターブで弾くと分厚くなっていいかも。

間奏その2

間奏その2

ちなみにアンソロジー収録のライブではなんとベースが弾いていて、ギターは最後にちょろっとメロディらしきものを弾いています。弾き忘れたのか分かりませんが、どうにもはっきりしない演奏です。

エンディング

エンディング

エンディング

こっちも正しくはやっぱりオクターブでしょう。最初の3f-1fの連発はこれまたちゃんと入れたいところです。AmM7はFm/Abの方が響き的に近いような気がします。コード弾きの際にはFmを弾いた方が良いかもしれません。

まとめ

演奏の際にはハーモニカ部分をギターだけでやるため、どうしても薄くはなります。アンソロジーではハーモニカの入っていないライブテイクが聴けますが、えらく薄いです。やたらと粗いライブテイクを参考にするより、コピーの際には原曲の雰囲気を重視してはっきりした演奏を心がけた方が良いものになりそうです。

2弦分を空けてのオクターブ奏法は当時のジョージの得意技のようですが、横移動が激しいので結構難しいですね。

-Past Masters Vol.1