Ticket To Ride
ジョン・レノンの代表作にしてロックの傑作に数えられる一曲。イントロのアルペジオからのドラムの流れなど、ロック音楽ならではのカタルシスを感じるほど。後にカーペンターズがデビューの際にカバーしており、そちらも日本では人気です。
コード進行
イントロ〜Aメロ
A | |||||||
A | |||||||
A7 | Bm | E |
Bメロ
F#m | D7 | F#m | GM7 | ||||
F#m | E | A | (A7) |
Cメロ(ブリッジ部)
D7 | E7 | ||||||
D7 | E | ||||||
エンディング
A7 |
アレンジが非常に凝っていますが、コード進行はわりと単純。基本的にはAを基準にして、D7やE7などのブルース系コードがまわりを固めている印象です。F#mやGM7などが出てくるBメロの存在が曲を凝ったものに、かつキャッチーに聴かせるために良い働きをしています。
動画
基本的にはライブテイクを踏襲。レコーディングでは複数のギターが重ねられているところを全て一本で通してやっています。
イントロ〜Aメロ
まずイントロのこのアルペジオ。これがないとこの曲は話にならないので、完璧に繰り返せるよう練習しておく必要があります。Aのフォームを押さえずとも、必要な2、3弦だけ動かしていれば十分でしょう。バックのギター(ジョンのパート?)はAのルートを弾いているのみ。コードを弾いておらず、ルートだけを弾いているところがミソ。
ちなみに原曲ではアルペジオには12弦ギターが使用されています。
Aメロが入ってしばらくはひたすら同じパターンが続きます。5小節目からは歌がm7thの音を歌い始めるので、コード的にはA7に聞こえます。ギターは一切変わっていません。バックも相変わらず愚直にルート弾きなので、セブンスらしさは歌のメロディのみからのもの。
ラストはBmとEでそのままBメロに繋ぎますが、Eコードに行くにつれてアルペジオが徐々にストロークに変化します。この辺りは原曲にもしっかり聞こえますね。ただ、ライブでは原曲とは違い、前の流れのままアルペジオしていますので、そっちでも良いと思います。
Bメロ
D7の時に1弦開放のミの音が聞こえますが、これはやったりやらなかったりなので、雰囲気で適当にやってるようです。この部分最大のポイントは「ライ−アイ−アイー…」と歌っているGM7の部分。
歌が食って入るためわかりにくいですが、楽器陣は一切のシンコペーションなしで、GM7の小節の頭で全楽器がコードを弾いて1小節ストップします。その後ドラムのフィルが先んじて入り、次のF#mに移るという流れ。そして、その上に別トラックでメロディと合わせるようにギターが重ねられています(赤い枠の部分)。
これをやらずに済ますというのも演奏としてはありでしょう。何せほとんど聞こえませんしね…。とはいえ、ライブのテイクをよく聴くと確実に入っているので、ジョージは全員が止まっている間一人こちらを弾いているということ。やはり本人がやっている以上、やっておきたいものです。実際にやると結構良い感じに聞こえます。ただ、問題は結構難しいということでしょう。このGM7の形だけでもなかなか押さえにくい代物なので。まぁ、練習するしかないですね。
Cメロ(ブリッジ部)
D7とE7のブリッジ部。早口なところです。
D7は妙な押さえ方をしており、m3rdの音を入れたいがためにこんな形にしているよう。ライブではこの移り変わる3度の音は非常にはっきり聞こえますが、原曲ではあまり聞こえないので、原曲は違う押さえ方をしている可能性もあります。こだわりがなければ普通のセブンスコードの形でも十分でしょう。
ラストはポールが弾いているらしきリードで締めます。
バックが一切なくなってからのソロなので、地味に緊張する一瞬。レコーディングではポールらしいですが、ライブではジョージがやらねばならんわけで、Aメロに戻ってからのアルペジオと被るため、どちらかを削らなくてはなりません。動画でアルペジオの最初の部分を削ってるのは、ライブテイクを聴いてもそうなっているので、それを踏襲したもの。たぶんコピーする際にもそれでいいでしょう。
エンディングソロ
手癖というか何というかつかみ所のないエンディングのソロ。大してカッコいいフレーズでもないので、完コピする必要はなさそうに感じます。粘っこいトーンで、上がりきらない程度の中途半端なチョーキングをやっていると近い感じになります。5fは人差し指でクオーターに近いチョーキングをしておくといいですね。
おわりに
当時は他にないほどヘヴィな曲だった…とはジョンの談。ロックンロール系のブルースバッキングっぽいフレーズではなく、動かないルートだけをユニゾンし続けているせいで、他の曲よりもヘヴィになっている点はたしかに感じられます。その上で同じアルペジオを繰り返し、さらに歌が乗るというアレンジは当時他にあまり見られない斬新なもので、確かに後のハードロックやヘヴィメタルに通じる要素がありますね。
曲としてはイントロの劇的な導入部だけでも盛り上がるため、コピーバンドでやる際には是非やっておきたい一曲です。ポールが部分的に入ってくるハモリ部分も非常にクール。