六弦と四人組の部屋〜ビートルズ奏法研究所

ビートルズ(The Beatles)の楽曲における、ギターでの奏法解析やコード進行の分析など。コピーバンドや、コード進行の勉強に役立ちます。

The Beatles (White Album)

While My Guitar Gently Weeps

2018/02/26

ジョージ後期の傑作。エリック・クラプトンのゲスト演奏は稀代の名演です。個人的にはレイラよりも何よりもこの曲のソロが一番好きです。

コード進行

Aメロ

Am Am7/G D7/F# FM7
Am G D E7
Am Am7/G D7/F# FM7
Am G C E7

Bメロ

A C#m F#m C#m
Bm E
A C#m F#m C#m
Bm E7

オーソドックスな進行。マイナー調から始まり、サビで同主調のメジャーキーに転調しますが、この頃のビートルズの他の楽曲からしても、そんなに凝った転調ではないです。重さを感じるリズム隊とアコギが良い味を出しています。

動画

ほぼ完コピした動画を上げました。譜面もこれに入ってるので、頑張って目コピすればそのまま演奏出来ます。

イントロフィル

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ピアノの分散和音イントロが終わった後、歌が登場する前の隙間に入る一節。E7のコードトーンがうまくいかされたフレーズです。

ギターのフィル

この曲はエリック・クラプトンのギターが占める割合が相当に多いですが、ギターソロ以上に大切なのが歌と歌の隙間を埋めているフィル。どこまでがアドリブか不明ですが、これ以外ないと思えるほどのハマり具合を見せています。

1番Aメロ

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1番アタマに登場なので、印象的。

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メジャーキーに転ずるBメロに入る前のもの。最後の5fは半音チョーキングをしてメジャーコードに合わせます。これをちゃんと上げないと不協和音になります。注意。

1番Bメロ


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6度音程で下がっていくフレーズですが、ビートルズの曲にはしょっちゅう出てきます。時代的なものもあるのかな。

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多分コードE7に合わせたフレーズでしょう。上のもそうですが、ペンタトニックらしさがありません。

2番Aメロ

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With every mistakes〜の前。Aマイナー・ペンタの定番にして、ブルースの定番パターン。覚えておけばアドリブに使えますよ。

ソロ後Bメロ

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これもコードから作られたと思しきフレーズ。E7のオープンコード形と、D7を3fで作った形(4f-3f-4f)を行き来するパターンです。これもよく出てくるのは確かですが、アドリブなのか気になります。

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12fでのE7が元になっている可能性大。14fを連続で弾いているので、コードはEsus4になるんですが、なぜか妙な緊張感が出ててカッコ良くおさまってます。

ラストAメロ

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14fを1音半チョーキングしたり、1音チョーキングしたり。音程はいい加減にせずに、しっかり狙った音程まで上げましょう。これ意外に難しいです。

ソロ

この曲の最大のハイライトが中間部のソロと、エンディング。ビートルズの曲らしからぬ長いソロは、練習するのに十分な量と難易度です。ポイントはチョーキングがちゃんとできるかどうかと、ヴィブラートなど余裕をもって掛けられるかどうか。

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中間部に登場するソロ。3弦14fの1音半チョーキングがとにかく多い。チョーキングの音程はかなり正確にやらないと説得力を失います。チョーキングはほぼ全て薬指でやるようにして、2段目2小節目は2弦15fを薬指で上げたまま小指で1弦15fを弾きます。

チョーキングさえ正確に出来ればスピードも遅いので、弾くだけであればちゃんと練習すればものにできるでしょう。その後の問題はフレーズの表情付けで、ヴィブラートをガシガシ掛けることで泣いている感じを出せるようになるのが最終目標。

エンディングソロ

2

3

相変わらずのチョーキング地獄。中間部のソロを弾ける技術があればこちらも大丈夫でしょう。2段目5小節目の5fから17fまでのスライドはかなり大げさに。

この長いソロをどうせ覚えるのなら、Aマイナー・ペンタトニック・スケールを一緒に頭に入れてしまえば、アドリブにも繋がるしフレーズも理解できるようになるので、一石二鳥。まだ覚えていない方はぜひどうぞ。

その他

アコギのストロークが入り、その上にオルガンが重厚で甲高い和音を響かせています。クラプトンのパートも、ソロ以外でもアドリブで延々アルペジオしているので、はっきり言って4人ていどであの分厚さを再現するのは困難。

ギターが2本の場合は片方がクランチなどの若干歪んだ音でのストローク、片方がソロ兼アルペジオあたりでしょうか。誰かキーボードがいればオルガンをやってもらうのがいいです。

この曲はサクサクしたテンポでやらないと、演歌みたいになってしまいます。ドラムは原曲を聴いて分かるとおり、かなりパワフルなサウンドであり、ともすればだるくなってしまいそうな曲をロックに仕立て上げているのがリンゴであることがよく分かります。

まとめ

クラプトンの名演が光る一曲として名高いですが、アコギの弾き語りバージョンを聴いても結構良い感じなので、やはり曲自体がいいんでしょうね。

インド音楽の洗礼を自分なりに消化して、才能がモロに発揮されたジョージ会心の一曲です。今ではすっかりホワイトアルバムの顔的な存在になっています。

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