六弦と四人組の部屋〜ビートルズ奏法研究所

ビートルズ(The Beatles)の楽曲における、ギターでの奏法解析やコード進行の分析など。コピーバンドや、コード進行の勉強に役立ちます。

Help!

I've Just Seen A Face(夢の人)

2016/09/17

「Help!」に収められた異色ナンバー。アコギ複数本によるカントリーチックな曲ですが、さくっとやってしまっているような余裕を感じます。このイントロは個人的にアコギのベスト・オブ・イントロの一つ。アコギ3本ぐらい使ってちゃんとコピーすると、実に良い感じになりそうです。

コード進行

イントロ

F#m D
E D

Aメロ

A
F#m
D E A

Bメロ

E D
A D A

AとDとEがほとんどで、たまにF#m。コード4つでさらっと作ったという印象ですが、良い曲です。アルバム「Help!」で投票やったら結構上位に入るんじゃないでしょうか。

イントロ

この曲のもっとも印象的な部分でもあるのがイントロですが、ウイングス時代はここを省いてやってました。

イントロ

イントロ

一応4パートあるんですが、コードストロークのパート(おそらくジョン)と、12弦ギターのルート弾き(おそらくジョージ)を一緒の段に記しています。

1、3弦を交互に弾くメインのフレーズは、同じものが複数回重ねられていますが、右チャンネルからはカッコで記した音が薄く聞こえます。たぶん、1弦の代わりに2弦の音を弾いた(3弦-2弦を交互に弾いた)、ハモリのパートが重ねられているんじゃないかと推察していますが…。

重ねて弾いてみるとこんな感じ。

ちなみに、フォームはややしんどいですが、ピックでカッコ内の音を軽く入れながら弾くと、ギター1本でもかなり近い感じになりますし、昨今のライブではそんな感じでやってるみたいです。二人で分けられるならパート分けしてハモった方がきれいです。特に、3小節目の2弦9fはこのイントロにぜひ欲しい音。

Aメロ

Aメロ

Aメロ

コードストロークとルート音。ストロークはアクセント表記の部分でかなりアクセントを付けて弾いてます。ノリを出すポイント。

ルート音は12弦ギターなので、オクターブ上の音が同時に聞こえます。これはジョージのパートでしょう。Aメロは3回ぐらい出てきますが、1回目のみ1,2小節目を弾いていません。普通の6弦ギターでやる場合、オクターブ奏法で高い音を同時に出しても良いと思います。詳しくはソロの項目参照。

ソロ

ソロ原版

ソロ原版

原曲は12弦ギターで単音をこんな感じに弾いてます。

オクターブ上の音は副弦によるものですが、普通の6弦ギターでもオクターブ奏法で弾けば近い感じになります。さすがに12弦特有のぎらついたオクターブ音は出ませんが、速さもたいしたことはないですし、全然これで弾くのもありですね。

ソロ・オクターブver

ソロ・オクターブver

まとめ

ドラムはブラシでしゃかしゃかやってますが、これまた良い雰囲気を出してます。歌が早口すぎて非ネイティブの日本人には練習がいりそうですが、英語の聞き取りの練習になるんじゃないでしょうか。

ビートルズのアコギ曲の中でも目立たない一曲ですが、実に味のある曲です。ポールもずいぶん気に入っているようで、ウイングス時代から今まで、たびたび取り上げています。「公式海賊盤」なんていうアンプラグドアルバムにも収録されていました。

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